ブロンズ少女/為平 澪
幼い頃に頭を撫でてくれた手のひらたちは
引っ繰り返され
彼女を叩たり、指さした
(公園で、一人、少女が濡れている)
常識の文字を見つけると丁寧に赤丸で囲みながら
恐る恐るみせた答案用紙
先生たちが出した答えには非常識と赤字で書かれた
(公園で、一人、少女が濡れている)
幸福の王子は全身金箔だらけで ルビーやサファイアを身に纏い
公園で人々の哀しみを眺めて泣いていたという話を知っていますか?
でも最期に遺っていたのは小汚い痩せた親友のツバメの残骸、と
デクノボウになった自分
(公園で、一人、少女が濡れている
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