ランドスケープ/DFW
 
拾いにいった
人物はときより心理的にうずくまる

拾ってきたものをどんどん押し込むと
やがて円錐の特異点は人物からみえなくなった

最初に拾ったものがなにで、それがいまどの辺りにあるのかはわからない
ひとつまえに拾ったものも忘れることがある

せめていま何が頂角付近にあるのかを確認するため
地盤のゆるい底面の円錐の母線に沿って
人物は手足を滑らせながら
発作的に登りはじめた

だんだん風が強くなり
人物のからだはギザギザになる
有刺鉄線から受けたギザギザの傷のように
人物はなんとかしがみつきながら進む
やがて太陽か月か星か、なにかの明かりのなか
人物はからだ全
[次のページ]
戻る   Point(4)