ランドスケープ/DFW
拾いにいった
人物はときより心理的にうずくまる
拾ってきたものをどんどん押し込むと
やがて円錐の特異点は人物からみえなくなった
最初に拾ったものがなにで、それがいまどの辺りにあるのかはわからない
ひとつまえに拾ったものも忘れることがある
せめていま何が頂角付近にあるのかを確認するため
地盤のゆるい底面の円錐の母線に沿って
人物は手足を滑らせながら
発作的に登りはじめた
だんだん風が強くなり
人物のからだはギザギザになる
有刺鉄線から受けたギザギザの傷のように
人物はなんとかしがみつきながら進む
やがて太陽か月か星か、なにかの明かりのなか
人物はからだ全
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