迷路/黒川排除 (oldsoup)
 
人が迷路を解いている人であることは確からしいことだが例えそうだとしてもその人の足に取りすがってどうこうしようとは思っていない。わたしは迷路を解くことに一切の興味を持ち合わせていない。さらにいえば迷路がどうして迷路たり得るのかが理解できない。ここは実は迷路ではないかもしれないし本当に迷路であるかもしれない。迷路が人を迷わせているから迷路なのか群衆に路が迷っているのからなのかそれとも迷路が無意識の表象なのかそれを区別する術はない。術がないのだからどうにもならない。だからといってその術を知っている人間と区別されているとは思っていない。馴れ馴れしくされたい訳でもない。彼らは見てないし見えてない。実際見えない。わたしには実体がない。そこやここにいるかどうかも分からない。よって生きているか死んでいるかはてんで問題にならない。わたしがわたしであることの証明はどこにも存在しない。言葉もよくわかってないし音も全然聞き取れない。だから独り言なんかしゃべっていない。詩になどされたくもない。そもそもお前に関係ない。
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