絶望の希望はただ乾いたピストルの音/
ただのみきや
返し 異端と嘲られ
追いつけない いつまでも
自らの 足跡だけ
孤独の 連綿として
幽かに時空を宿し 点々と
燐のよう
だけど闇より暗く 燃えていた
蜜蜂のように耳元に唇を寄せる
白昼の絶望の甘い眩暈こそ 希望
響き渡るピストル
不明の座標に落ちた
蝉のような一つの死を
黒い文字が覆った
消えて往く けむり
ひとすじの 青白い舞踏
《絶望の希望はただ渇いたピストルの音:2016年7月23日》
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