巡りて/坂本瞳子
 
燃える炎を眺めていると
この瞳が燃えてしまうのではないかと
そんなことを想像してしまう

目蓋に感じる炎の熱は
愛惜しく
覚めないで
消えないで
と願う

この目の中に
その炎を
納めてしまえたらばいいのに

ふとそんな夢を見て
過ぎゆく時間は
一瞬のように思え
永遠ほどに長い

ため息がまた一つ
同じことの繰り返し
叶わぬ夢はまた巡る
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