ごおるど・ふぃっしゅ/
 
青が 空を ひととき 貸して
街が 金色とおれんじで いっぱいになるころ

あたしたちの
始まりも 終わりもない 
夜の仕度

金魚は こいにはならない
だけど
出店ですくった よわっちいこいつは
いつか鯨になる

そんなうそを あなたはまるで
美しいおはなしのようにいうから


夜の仕度に 励む

たべて たべて たべて


いつもそうよね うわごとのように
美しいおはなしのようにいうから

出店の金魚はきんいろの王様きどり
安っぽいあかを ちらつかせて
なんでもできるきがするじゃない
あんなに狭い水槽の中ではね

シーツの海でクロール
で、息継ぎは上手くない
夜の仕度に 溺れる前に 
ほら お食べなさいよ


光さえあればたべつづける金魚のように
眠る間も 惜しんで 
 


鯨は夜明けの空に 旅にでてしまっていて
ぬけがらが 一日をはじめるところ


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