夏/
はるな
きのうわたしたちは夏を齧っていた
いじらしく硬く、青臭い
ビルの高さを馬鹿にしながら
幸福はただの文字になり、遠くへ
かわいいものたちの国を走り抜け
もちろんはだしで 手を上にあげて
そうしていつの間にかいなくなっていた
あなたも わたしも かわいいものたちの国も
ビルも 夏も 文字も
愛だけがのこった
のこって
そこにありつづけた
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