花/atsuchan69
むかし、
ボクは花に埋もれた
白や紫、
黄、青、赤‥‥
――ある日、
紫の桔梗の花を
ベットいっぱいに飾って
素敵な夜を過ごした
しかし残酷な朝が来ると
花はすべて萎れていた
悲しくなって
頬に一筋の黒い涙をながした
ボクはまた
辛い一日を始める
すると窓の外に夏の光があった
庭に出ると濡れた草むらに
青く小さな露草が咲いている
そしてまだ咲かない白粉花が
背も高く輝く緑の葉を堂々とひろげて
いとも気丈夫な様を見せていた
ある日、
幸せな夜にボクはまた
ベットいっぱいに花を飾って
夢見るように‥‥
深く、いつまでも眠った
悲しみはもうやって来なかった
そして花たちは萎れることがなかった
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