THE COLD WAR/天才詩人
下ろされる、水平線のすりきりに焦点を合わせた8月の海。定規で引かれた破線を切る。白い箱は南の埠頭から還流してきたのだとラベルが。黒く焦げている、1945年。光り輝く真空管が6畳の部屋を囲んでいた。雑誌、新聞、カットアップ。スキミングされ、透明なフラスコで蒸留されていく身体。たち。見る。僕は見ているし、見・つづけていた。
喉の夏。外に出たい。いくつもの蝿がたかる腕がベランダに縛り付けられる。
叫んでいる。遮光カーテンの午後は後ろ手に鈍器を隠している。
そうして首都まで旗をたてて行進する。規則正しいリズムで
しがみついていたい。離れたくない。涙をぬぐう。
遅くならないうちにあなたを空から
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