そこな女/
坂本瞳子
艶めかしい肌は
指の腹で軽く抑えると
水が溢れ出しそうなほど
貝のように整った形を成した
耳に後ろから息を吹きかけると
肩を竦めて首を傾げる
華奢な爪先の繊細な小指は愛惜しく
食べてしまいたくなるのを
制するように誘うように
永い豊かな黒髪を故意に振り乱し
掻き上げては魅惑の眼差しを輝かせ
微かに轟かせる喘ぐ声は
どこで調教された仕草かと
呆れてはしまうけれども
なんともはや止められない
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