蘭月(一)/信天翁
 
      むせ返る 土曜日の落日前
       街なかの みすぼらしい 
       原っぱでは 飽きもせず
      黄ない喊声が渦まいている
          なんで そんなに
         熱中できるのだろう
  (卒寿のおひとりさんにしてみれば
それはまったく 腑に落ちないことだ)
        生(さが)の初期段階と
      命(いのち)の終末期とでは
    微妙な格差が あるのだろうか
 
            
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