Miz 18/深水遊脚
り回される太刀は間断なく政志さんを襲った。負傷した右足を庇うため片足のジャンプを強いられたが、弾で作った盾も政志さんの思念が絡んでおり、よく太刀を防いだ。太刀が盾に接するたびにその一部が黒く変色してこぼれ落ちた。しかし盾のほうもそれほど安定せず、太刀の斬撃でだいぶ形が変わっていた。
気になるのは短刀のほうだ。大きさは違っていても俺の見るところ、同じだけの思念が太刀と短刀に割かれている。政志さんも恐らく短刀を警戒している。太刀を積極的に無効化するために動く隙を短刀で突かれることは致命的だと知っているのだろう。攻撃を呼び込みたい柏木は挑発した。
「毒を仕込んで私の力を減じたつもりだったみ
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