Miz 18/深水遊脚
る。格闘技として楽しんでいるのか、幸政さんがどの段階で介入するかを値踏みしているのか、始まってから不適な笑みを崩していない。
数秒で球体は消え、なかから右手に光の太刀、左手に光の短刀をもった柏木が現れた。太刀と短刀はいずれも外側に黒い不純物が斑点のように付着していた。柏木が二本の刀を構えて息を吸い、短く太い息を吐いた瞬間にそれらの斑点は、一斉に銃弾のように高速で政志さんを襲った。この斑点はメドゥーサ・エクステンションとそれにやられた柏木の思念の糸だった。もともと政志さんが放ったもの。柏木に向けたあの挑発の文句のあとに、自身の毒により生成された弾に自身がダメージを受けるというのも皮肉な状況だ
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