親子の時間。/梓ゆい
父の詩を書くことにした。
見えない世界と繋がって
無くした親子の時間を取り戻す為に。
肩に手を置いて
にこりと笑う父の姿が見える。
「お父さんどうですか?気に入りましたか??」
私は声を出して父に話しかけた。
「合格だ。大変に満足をした。」と
返すかのように身体の右側がだんだんと暖かくなる。
ようやく書き終えてペンを置いた卓上で
父のメガネのレンズが
蛍光灯の反射を受けた。
大学ノートの上で親子の語らいが始まり
一枚の文字面積が多くなるたびに
話せなかった事・話をしたかった事が
詩に生まれ変わる。
すぐ近くにいるはすの父に
「お父さん。お父さん。」と
何度も何度も話しかけながら
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