ジョナサン/はるな
 

あたしたちはむかし
旅をしていた
ジョナサンみたいに
求めるもののある旅だ

いつか終わるとは思っていた旅を
いよいよ終えたとき
わたしたちのどちらもそれに気がつかなかった
世界はここちよくつめたく
壁や 屋根が わたしたちのそばにあった

午後はカーテンを抜けてしろい壁にひかりを落とす
娘がまるい腕をのばしてそれにふれるとき
ジョナサン、
わたしはまた旅をはじめられる
戻る   Point(3)