前へ進め/坂本瞳子
 
このモヤッとした気持ちは
涼しすぎるくらいの喫茶店に
入り浸っても晴れることはなく
湿気で充満した屋外で
無理に散歩を続けたからと言って
発散されることもなく
時間が過ぎれば自然と消失されるかと
思うととてもそんなことはなくて
ただ悶々とモヤモヤを抱えて
今暫くはまだ自問を続け
苦しまなければならないようだ

求めなければ光が見えることはない
ただ彷徨い続けても光の筋は降っては来ない
自ら作り出すために扉を開ける
その力を蓄えつつ前進を続ける

そう思って後退していることもあるが
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