蘭月/信天翁
 
      丘ひだの わがやに
      もう雀のさえずりが
    まったくきけなくなって
       しののめの窓辺に
      明るみがさしたとき
    指先で目やにをぬぐって
ねこぜのおひとりさんは口ごもる

    卒寿のからだというのに
  現時点で違和感がない とは
ほんとに ほんとに ありがたい 
          ことだ と

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