夕暮れの流れ/霜天
僕らが引きずっているものは
きっとそんなに大きなものじゃなくて
両手ですくう、それくらいの
引きずったあとが少し、痛いくらいの
体中に刻み付けられている
流れるみたいに巡っていること
僕らが少し、ひとつふたつの
誰かの言葉を忘れた頃に
夕暮れた空に明るい夜が来る
あの人たちが遠くなってしまった後のこと
昨日の夕暮れに描いた絵を今日にはもうどこかへなくしてしまった
ひとつ音が抜けてしまった歌声
誰かが覚えている古い風景
流れるみたいに刻み付けられていること
どこかに
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