空の時計と/
由比良 倖
「君がいてくれさえすればこの世界全てを好きで生きていけるの」
終わりの日、躁鬱さえも完璧な、日に充ち足りて、血は微笑して、
大切な会話は膜に閉ざされて、夜は更けゆく、指が泣いてる
一日に寄り掛かりつつ揺れながら世界と君と右の手首と
「星たちを襲う季節の中心は三十六度ちょうどくらいで」
浅瀬から冷えた、薬を舐め取って君と銀河の「おはよう」を聞く
宇宙船みたいに破綻していたいどこまでもどこへでもかなしく
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