電気ブラン/
?本 サハラ
深淵を覗くような気分の時に
電気ブランを飲んじゃいけないと
よく爺さんが言ってたっけ
modernを鼻にかけたような
きんきんに冷えた電気ブランをグラスに注いで
僕はその戒めを破るのだ
自分を誇りに思えなくても
履いて捨ててしまいたいとは
思っちゃなんねぇと
べらんめえに酔っ払った赤ら顔で
説教をする爺さんを
きっと僕は愛していたのだろう
グラスの淵を覗くと
電気ブランはばちばちと
僕を照らしては琥珀色に光っては
何も、何もなのだ。
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