グッドモーニング、ハロー。/?本 サハラ
手は握るものではなく繋ぐものだと
教えてくれたあなたとは
繋ぐたびにカチカチとなる金属音のせいで
わたしは涙目を隠して
あなたの鞄を持つのです。
しあわせではありませんでした
かわりに不幸でもありませんでした。
わたしが羽化をするたびに
頭をなでるあなたの優しさに
わたしはすがっていたのです。
そこから出た蛹の欠片達が
メタモルフォーゼしながらわたしの
言葉となって積み木の街を
騒がしく騒がしくさせます。
そうしてできた詩たちが
わたしの横をはたはたと舞いながら
グッドモーニング、ハローグッバイ。
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