赤い糸/しょだまさし
幸せの赤い糸を手繰り
着いた場所には
知らない男性がいた
イケメンというより
男らいしいタイプの彼には
糸は見えていないらしい
それでも嬉しくて
気分が浮わついていたことが
災いしたかもしれない
糸はあっさりと切れたのだ
その後待ち合わせた
友達と別れた帰り道
軽い交通事故に合い
幾つかの擦り傷と共に
「さよなら、まだ会わない彼」
なんて状況を省みずに
情緒的になる自分がいたが
幸運は去ってはいなかった!
念のために検査をと
運転手に連れられて
訪れた病院で出会った彼は
清潔なナース服を着た
看護師姿だった
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