鳴神月(六)/
信天翁
卒寿となった おひとりさんは
空の鮮度が気にかかり
いまも たわごとが 泡をふく
梅雨(つゆ)が明けなきゃ
おらの終活も
始まらんのか と──
あぁ なさけないねぇ
あわれだねぇ
団地の屋上で
キジバトも唸っているょ
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