りゅうだったとき/
はるな
ふたりがまだ二ひきのりゅうだったとき
世界は平らで 雨がふっていた
眠るように飛びながら
からだはちょうど からだの重さだった
いまになって思いだすと
まぶたでは雨降りなのに
どうして肌はかわいているんだろう
世界も、それに
のぞく水たまりのひとつもなくて
戻る
編
削
Point
(3)