ねじ/はるな
 

一日ぶんのねじを巻いてきたはずが
まだあかるいうちに切れてしまった
時間をみせて
とかりた
あなたの時計もなんだかへんだ

かつて
わたしがいて
あなたがいた
それが全てだった時間をたべつくして
いまは立っている
べつべつのねじを巻いて

もしかしたら
間違いだったかもしれない
でも線をひくペンがないし
ときどきベルトコンベアにのらされている
ひどい靴擦れをかかとの高い靴にかくして
そしてもっとそれをひどくさせて
ねじを巻かなくても進むことができる…、
虎たちのまぼろしみたいに
ねじを…?

まるい氷が不恰好に溶けている
暑すぎるせいだとあなたは考える、
あなたは考える
その横顔が
なんどわたしの胸をつぶしたことだろう




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