流木/
千波 一也
波打ち際のおまえの姿を
なんと形容すれば良いだろう
哀れな末路
閉じた夢
干からびた声
孤独の極み
寄せる波に素足を任せると
わが身の所在なさが
あらわれてゆく
消せない願い
置き去りの熱
待ちわびた翼
錆ついた鍵
どの形容も正解に値しない
遠くも近くもなく
ただ、値しない
そんな一握りの望みを
わたしはようやく思い出す
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