鳴神月(五)/
信天翁
梅雨の隙間が薄日を誘い
湿っぽい四次元のけだるさを
いっときなだめすかしてくれる と
広場をめぐる木立ちからは
チッ チッ チッ と
こすずめの囀りがきこえ
片隅のベンチやジャングルジムからは
黄いろい喊声が
声紋をただよわせてくる
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