そして落葉樹は/もっぷ
 
関の鍵を確かめたところ。……いま、近所の駐車場に。車のドアを開けて乗り込んで……ドアを」
 いろいろと?よくわかっている?聞き役となっていた三者は話を聴き終える前から、こういう場合には何をおいても急ぎ二十四年後の?あたし?の許へ駆けつけるべきだと、ことの重さを悟った。
 樹は、根っこを持っているから非常につらそうに俯いた。
 月も、自分が遠くから見ればちいさいけれども実はとても大きな体をしているので、一つの島国のそのなかでも一つの人間の命に寄り添って説得をするとか直になぐさめるとか、そういうことの無理・難しさを噛みしめる。
 風が、翼を広げた。その透明で丈夫で柔軟な翼はどこへでも行けるし風
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