湖/opus
中に入っていく
湖は意外と深い
足から膝へ
膝から腰へ
腰から肩へ
肩から頭の先へ
ぷくぷくと
空気が口の端から漏れる
月明かりに照らされて
底がぼんやりと見える
ゆらゆらと揺れる水草
そろそろと泳ぐ淡水魚
キラキラと光るの金色のブローチ
薄汚れた人形
空気が出切ると後には
息苦しさ
じっと耐えると
体が痺れてきて
何もわからなくなる
あぁ、やっと終わるんだ
ふと、
体に痛みとと重みがかかり
水面へ
ぐいと引っ張られ
地面に転がされる
何だと思うと
そこには巨大な熊
恐怖
感じた瞬間に
世界がぐるぐると回りながら
移動する
止まって
視界が定まると
そこには頭を失った僕の体と
それを貪る小熊
傍で親熊がそれを見守る
ピエロが目の前で
僕に言う
「少しはマシになったよ。
まぁ、それでも十分くだらないなぁ。」
戻る 編 削 Point(2)