湖/opus
森の中の開けた場所
鬱蒼と繁る樹々の狭間
日の光が注ぐ
その中心に
湖が鎮座している
石を投げる
水面に波紋が広がる
風の音が聞こえる
樹々がさざめく
鳥の声が聞こえる
鹿の足音
耳の後ろの血液の音
真っ白の顔をしたピエロ
そこに模様はない
「くだらないなぁ」
薄ら笑い
「どうかしている」
右頬に掌をあてる
「酔っている」
夜が来ると
湖に星が浮かぶ
ゆらゆらと
揺れる水面で
星が踊る
skeeter davisの
the end of the worldを
口ずさむ
改めていい曲だなぁ
と思う
僕は歩を進め
湖の中に
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