柔らかな恋人たち/梅昆布茶
 
ひとはいつも希望の輝きと絶望の淵を内包している

自我というがんじがらめの石ではなく
自己という関係性の中のやわらかな今を生きている僕

僕の好きなひとに結婚を断られた
たまに会って食事ぐらいはいいというのだが

彼女にとってはさほど魅力的ともおもえない僕がいて
でもちょっと楽しんでそれ以上の求心力も無くまたね!って

自己は変革できるものだ
定義はよくわからないが
自我という言葉が嫌いなんだ

人間を固定する必要などないし
世界のすべては変化だし

それにやわらかに対応できる
あなたこそがあなたなんだと
いつもおもっているし
僕もそうなんだから

僕はしつこくプロポーズするかもしれないが
これからは根比べだ

だって一瞬一瞬に因果律が働いているなら
まにあわないかもしれないけれど

こまかく得点して
いつかあなたの視野のなかに
入れるのかもしれないんだ

でも日々の精進ができない僕は
せめてこの一瞬をきちんと

あなたのために用意できる人間でありたいと
おもっているのです


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