八柳李花『Clich?』について/kaz.
とするあらゆる哲学者を超越している。彼女は以前私に田村隆一の『帰途』の英訳を送ってくれたことがあったが、そのことを思い出すと懐かしい。結局あの英訳を誰かカナダ人に見せることは叶わなかったけれども、彼女ほど語学に堪能な人はいないという印象が私には強かった。
今はもう残っていないが、彼女が「ネット詩の耐えられない軽さ」を書いたときの心境が、私にはわかるような気がする。ネット詩は言葉とも言葉でないとも言えないものの(言えない、と言った瞬間に言ってしまっているのだが)狭間で揺れる、儚い亡霊のような存在なのかもしれない。
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