私と反省部屋/くろねこ
 
何をした罰なのか
記憶が定かではないのだが
子供の時分は
反省部屋と呼ばれていた
離れの中の暗い部屋に
よく閉込められていた。

何も無い中に一組だけ置かれた
机と椅子について
陽が明けて暮れて明けて暮れて
どのくらい時間が経ったのか
分からなくなるまで
ぼんやりと過ごした。

大人になって
この家に誰もいなくなってからも
引きこもりの習慣はなくならず
ただ建物の老築化が激しく
床の状態が不安になってからは
ぼんやりと過ごす時間はなくなり
上ってくるたびに部屋の改装をした。

どこからか入りこんだ
招き猫が作り付けた棚の上に
居座るようになって
何かと話しかけてくるので
一人でぼんやり過ごすことも
無心に作業をすることも
このごろは出来なくなている。
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