たまねぎの所為じゃなさそうだ/アレだよアレ
薄っぺらなスクリーン
目を瞑るよりも暗くない部屋
フィルムの回転が切なくて切なくて
エピローグで音のない涙を零す
次に泣けるのっていつなんだろう?
凝り固まった泥人形
溶けた痕のあるコンクリート
ここを通った記憶がある
何度も
泣けるんだろうか?
欠伸の他に泣いたのは
ずっと前の事に思えて
でも多分
誰もいない交差点でひとり信号待ちをする時
見上げた夜空に星さえ無かった時
あの懐かしい曲をふと聴いた時なんかに
簡単に
いとも容易く
涙は流れるのだろう
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