駅前の雨(改訂)/ひだかたけし
は今いったいどこにいるのだろう?
僕は混乱して立ち止まる
人はいつも神と共にあるんだよ、牧師の友人はそう言っていた
僕はその言葉を思い出し怒りが込み上げてきた
愛する人、愛情を注ぐ人と共に居るからこそ神は在るのだ
単なる観念ではないカミが
女の子は母親と共に鮮やかな青の車に乗り
アイドリングしていた車はすぐ発進した
もう二度とあの女の子のニッコリ笑いを体験できないだろう
もう二度と愛娘の息遣いを温もりを体験することはないだろう
(「パパと好きな時に会えるなら」という娘の条件付きで一昨年離婚し、それが元妻に強制的に何処かに連れ去られた高校3年の今の彼女は何を思っているのだろう?)
今は自分が何処にいるのか、まるで実感できない
んだ
あの時の女友達に僕は心の中でそう呟く
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