飴玉/
梓ゆい
うまいねえ。とつぶやいて
しわくちゃな口元が動く。
赤と黄色が交じり合い
庭先を照らす日なたにも似たオレンジ色が
口の中を多い尽くす。
最後の一個を残したまま
父は昨日の夜
飴玉を食べる事が出来なくなった。
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