スローウッド/竜門勇気
 
あった日に
深く確かな憂鬱
与えられて奪われる
間違いでした、ごめんねってさ
厚着をした朝は夢みたいな晴れの日になる
期待はずれの風が涙を流す時間も吹き散らす
そんな風に楽しめた
片目を閉じて暮らしてみよう
一つ残らず間違いを選び続けるんだ
憂鬱な夜に奪われ
厚着をしても出かける場所もない
半分だけ涙を守った
帰れる場所は何処にもないかも

僕の相棒劣等感は
全てのドアの向こうで
ああ
かわいそうに僕を
僕なんかを待ってるんだ

役立たずは役立たず
劣等感は叫びながら笑った
その役はやめたんだ苦しいんだ
お前はダメだダメだよ
劣等感は僕を諭した
僕は僕をやめられない

だから
ここにいてもいいだろ
劣等感は叫びながら右目を手のひらで覆う
その役はやめたんだよ
離してくれ
涙に映った自分は
劣等感は
右目を手のひらで抑えて
まるで致命傷みたいに流れていく光の影で
また一つドアの影に消えてった
僕は僕だけやめられない


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