原光景.2(改訂)/ひだかたけし
 
動かない川の水、
淡い陽光に照らされ
タールと銀の陰影混交、
濃密に静止し
対岸の雑木林、
そよとも揺れず
枝絡む円い隙間から、
白い空間 奥まり覗く

凝視されている気配

確かにアカラサマに

雑木林は川に沿って
樹木黒々密生した森となり
濃紺に暗んだ空
半球を描き広がる奥

全く微動だにしない
この界
何かが潜んで 顕わに
顕わに潜む   何か

無音無動 湧き上がるソコから
透明透徹した木霊
不断に反復され







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