望郷(九)/
信天翁
優柔不断に打ち過ぎた
卯月 皐月が素通りとなって
セイロンサファイアの
鳴神月を出迎えた
寒がりな卒寿のおひとりさま
広場の木立ちには
回遊の子雀たちが──
街外れの雑木林には
周遊のアシブト鴉が──
そして
土曜 日曜には
黄ない叫喚の渦潮が原っぱで
和やかにひろがっている
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