姫たちのお茶会 下/るるりら
 
姉妹は今日も
山間にある店に行く
季節は うつろぐ
路にはスイカズラが咲き
神経の先端が 花の香りに触れると
セカイのことなど すっかり わすれ
やるせなさと はかなさの間に
路が 現われるのだ

細い枝に 数珠つなぎに咲きそろう忍冬(スイカズラ)は
かならずひとつの場所に二輪づつ咲いている
次女は イギリスの宮廷バレイの踊り子のようだと思い
長女は 舞踏会への道だと想った
初々しく咲いて間もない花は あたかも淡い恋心の 男女
そして盛りを迎えると純白へと花色をかえ
さいごには花は黄金に色をかえる
あたかも感電して 神経が淫靡に死滅するかのように
花のなかでも こ
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