イレイザーヘッド/wakaba
君のその変色した合成樹脂みたいな脳みそから
濁ってる記憶だけを取り出して
映写機に装填してレトロ上映会を開きたい
僕があの頃の君に惚れていたかどうかなんて
そんなどうでもいいくだらないことは
君の想像にお任せします
僕らの記憶は不燃化物質
プラスチックみたいな燃えないゴミ
処分場所をたらい回しにされて
さまよい続けている無様な記憶
可哀想な振りをしてる君は
誰もいない上映室にしゃがみ込んで
泣きじゃくって可哀想な振りしてる
悲劇のヒロインの振りしてる
知らない振りをしてる僕は
泣きじゃくる君に気づかれないように
適度な間隔を開けて知らない振りしてる
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