ヘビトンボ/ただのみきや
同じ名を冠する
種族の偉大な王を探そう
空の殻へ
乾き切る前に
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ああ栄光
ヘビよ
種族の偉大な王よ
あなたこそ
孤独な者の父
あなたに逢いに来たのです
{引用=《ヘビ》
おや
この空気の味
ぬるみ具合
どうやらきみはヘビトンボだね
なあにわかるさ
目は悪いけどね
舌でぺろりと見分けられる
きみが来た理由も
なにを求めているかも
ちゃんと知っている
安心なさい
今まで随分ひどい目にあっただろう
トンボからもカゲロウからも弾かれて
仲間に逢いたいのだろう
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