ヘビトンボ/ただのみきや
 
同じ名を冠する
種族の偉大な王を探そう
空の殻へ
乾き切る前に


 *****


ああ栄光
ヘビよ
種族の偉大な王よ
あなたこそ
孤独な者の父
あなたに逢いに来たのです

  {引用=《ヘビ》

  おや 
  この空気の味
  ぬるみ具合
  どうやらきみはヘビトンボだね
  なあにわかるさ
  目は悪いけどね
  舌でぺろりと見分けられる
  きみが来た理由も
  なにを求めているかも
  ちゃんと知っている
  安心なさい
  今まで随分ひどい目にあっただろう
  トンボからもカゲロウからも弾かれて
  仲間に逢いたいのだろう
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