もと居たところ(ゴル投稿長考版)/高橋良幸
ョンを待つまでの間
もはやわたしはひとりでいるしかなかった
わたしが最後をつとめる宇宙の時間は
わたしにとって、長い時間だ
独学で多世界の精神を統合する術も学んだ
遠い世界の記憶は曖昧で
とはいえいろんな場所にわたしは居た
独居房では幻覚を見るのだという
そんな世界もあった
それでもわたしはわたしの知れることしか知れなかったな
そう思うと宇宙の時間は長いようで短かった
他の誰かはこの極限の時間で
他の宇宙に住んでいるのだろうな、ひとりで
夢でいいから会えないだろうか
(会ったかもしれない)
会ったかもしれないな
ああ
なつかしいな
あの新緑のにおいがあった頃って
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