望郷(八)/
信天翁
うずくまっていた
卯の花月がながされて
田の草月にめざめるとき
老残は猫背を反りかえし
両手をかざして
なかぞらに満ちあふれる
かぜとひかりと星をまさぐる
過去にヘドロとなった
灰色の塵埃をわすれて
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