雨がまといつく/ホロウ・シカエルボク
 
の出どころを確かめようときょろきょろしたが
古い壁のどこにも雨を受けるような突起は見当たらなかった
壁は馬鹿みたいにまっすぐに立っていた
だから俺は探すのをやめた
それはきっと「どこか」という以上の定義を必要とはしていないのだ


近頃この界隈にゃ吹かしてる小僧が居るが
後出しじゃんけん以上の大胆な真似は出来ない
そんなやつはもう飽きるくらい見たな
臆病だけど我慢の利かない
ガキ大将の子分みたいなヤツさ


雨がまといつく
夜が深くなる
欠伸をしながら



次の本のベージでもめくるとするか



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