不法投棄地帯/ただのみきや
冷たい灌木の素足を芝草が覆う
うぶ毛のようなスギナの森
露に閉じ込められて朝の光が震えていた
「友よ お飲みなさい
こっちは先に頂いています もうすっかり
辺り一面へ溶けだして ほら太陽は驚くほどの優男
美しいものがあるわけじゃなし
あるのは原初の傷 堕天のたましい
ピンで留められた白い蝶の波紋
井戸の前の壊れた手桶
まるで美しいと感じるような空白への投身
創造ト破壊 ソレハ
神ノコドモ二トッテ義務? ソレトモ権利?
――いいえ 性です
テレビジョンあなた
過去の地球から落っこちて来たのね
猿の惑星みたいに
野ざらしの固いボデイ
腐らないし葬ら
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