『慣れ』の果て/少年(しょーや)
 
聞きたくもないのに聞こえてくるのはどこかで誰かが誰かを殺したただの拐っただのっていう義務だかなんだか知らん抑揚のない流暢な声ばかり

昔意味もわからず聴いた歌に紡がれた言葉は、紐解く時を迎えてもなお結び目が見つからない

もう何年経った?
もう何度見過ごした?

「考えなきゃいけない」と訴えるんならさぁ
先生、あの時の授業を今でもいいからはやく、やってよ

どうしたって奪われる
どう足掻いても消えていく

気持ちが込もっている、だとか
思いが伝わる、だとか
心に響く、だとか
じゃあどんな気持ちやどんな思いがどう心に響いたんだよ?
教えてくれよ 嘲笑ったりなんかしないから
ありがとう、って手を繋ぐから

聞いたふり
聞こえないふり
見たふり
見ないふり
知ったふり
知らないふり

嘘が嘘を生み嘘で嘘を囲み嘘に嘘を重ね嘘と嘘がにらめっこ

迷い苦しんだしがらみの先なんてもう無いのかもしれない

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