四年間/藤鈴呼
面倒なことは 全て 置き去りにして
登山をしたいと ピッケル片手に
ねぇ 知ってるてしょう
アイスピックとは 違うのよ
コンパスが 指の間を行き来する遊びとは
訳が 違うの
間違ったら 流血する惨事となりますからね
そんな事を云いながら 三時のおやつにだけは 余念がないの
ねぇ あれから 四年も経過した
一年 四季ありと云えども
この流れだけは 妙に早いわ
部屋の中から眺める雲の速さばかりに付き合っていたら
五月蠅い工事音なんて 気にならなくなった
それでも世の中 気に喰わないことばかり
パクリ 食べてしまうのは
不味い調味料で 溢れているわ
薄口しょうゆが塩分過多なんだって 知らなかった頃
塩麹で 全て発酵させちゃえって 夢を観てた
メリーゴーランド くるくる回る
眩暈を覚えた あの響きが
靴底から 離れない ガムのように こびりついて
この耳が
あの時が
私の中から
離れては くれないの
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