WORLD END FILLYJONK/TAT
話
コーヒーのCMに使われる前の話
同時期によく出石の安国寺に
ドウダンツツジを詣でに行った
矩形の深紅が
魂を夕陽色に染めてくれた
その後やや飽きたのでそこも売った
21歳の時
京都で祭りのイベントがあって
トランシーバー持ってバイトしてたら
ホコ天の御池通り
八車線ぶち抜きの地平線を彼方から
着物を着たよさこいの群衆が踊りながら陽のようにゆらゆらと昇ってきて全身の産毛がざわりと音を立てて6オンスのTシャツの布地を持ち上げた事もある眼球を焦がすような観ている瞬間にあぁこれは一生残る思い出になるヤツだなと骨まで自覚しながらその
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