佳日邂逅/平瀬たかのり
 
 ぼくは今日ハローワークに行った

 あさっての面接の段取りをつけ
 神社にお参りをしてうまくいくように祈った
 (苦しいときの神頼みだね)

 帰りのバス停ベンチに座って
 コンビニおにぎり二個一九八円のパックを開けた
 ぼくから少し離れたところで 
 女子高生がひとり
 立って教科書を開いていた
 一生懸命読んでいた
 ぼくは梅おにぎりを
 〈お〜いお茶〉で流しこみながら
 彼女を見ていた

 「わっ!」
 「きゃあ! もうびっくりしたぁ!」
 ともだち登場、笑顔の花が咲く
 ぼくは鮭おにぎりを
 〈お〜いお茶〉で流しこみながら
 彼女たちを見ていた
[次のページ]
戻る   Point(1)